資材のウイルスに対する効果を確認するために実施した。
試験実施施設
株式会社食環境衛生研究所
試験日程概要
試験開始日:2020年5月14日
試験終了日:2020年7月20日
供試ウイルス
株式会社食環境衛生研究所にて保有している 1 ウイルス種を試験に供試した。
Porcine epidemic diarrhea virus P-5V 株 (以下、PEDV)
※豚感染性のコロナウイルス(新型コロナウイルス代替として)
培養細胞:vero 細胞(アフリカミドリザルの腎臓上皮由来株化細胞)
試験資材
次亜塩素酸水
商品名①:さくら不動産(Technical Fine Co.,Ltd ナノエイト(nano eight)100ppm タイプ
商品名②:ユニトライク株式会社 G ミスト 100ppm タイプ
※試験資材は原液を使用した。
区 | 検体 | 検査時点(分) | 反復数 |
ウイルス | |||
対照 | 滅菌リン酸緩衝液 | 0、1 | 1 |
試験 | 試験資材 | 1 | 1 |
ウイルス液調製方法
1) PEDV を vero 細胞に接種した。
2) 37 ℃で 1 時間吸着後、接種ウイルス液を除去し、滅菌 PBS で 2 回洗浄した。
3) MEM 培地を加え、37 ℃、5 %CO2下で培養した。
4) 70~80 %程度の細胞変性効果(以下、CPE)が観察された時点で、培養上清を回収した。
5) 回収した培養上清を、3000 rpm で 30 分間遠心後、遠心上清を分注し、-70 ℃以下で保存したものを供試ウイルス液とした。
試験手順及び方法
(1) ウイルス液の接種及びウイルス力価測定
試験実施前に、資材を 10 倍段階希釈後、vero 細胞に接種し、37 ℃、5 %CO2 下で 5 日間培養した。vero 細胞が正常な形状を示さなかった場合、資材による細胞毒性有りと判定し、本試験では細胞毒性が確認された希釈倍率を試験から除外した。
その結果、試験資材原液で細胞毒性がみられなかったため、本試験における検出限界は 101.5 TCID50 / mL とした。
① 検体 1 mL を試験管内に用意した。
② 検体の中に PEDV 液を 0.1 mL 接種した。なお、接種直後はボルテックスミキサーにより 1 秒間攪拌を行い、その後検体は 25℃で静置した。
③ 対照区は、接種後 0 分(直後)及び 1 分の時点において、検体を試験管から採取して別の容器に分注し、MEM 培地で 10 倍段階希釈した。
④ 試験区は、接種後 1 分の時点において、検体を試験管から採取して別の容器に分注し、MEM 培地で 10 倍段階希釈した。
⑤ 希釈液を vero 細胞に接種後、37 ℃、5 %CO2 下で 5 日間培養した。
⑥ CPE の有無から、ウイルス感染価(TCID50)を測定した。
評価
試験結果において、検査時点ごとに、対照区に対する試験区の減少率(%)を算出し、効果を確認した。
なお、本試験において減少率は以下の式で算出した。
結果
結果を表 1 及び図 1 に示した。
対照区のウイルス感染価は試験開始時から終了時まで 10 8.1 TCID50 / mL であ った。
試験区のウイルス感染価について、接種後 1 分で<10 1.5 TCID50 / mL(検出限界未満:99.9999%以上減少)であった。
考察
本試験は、試験資材の PED ウイルスに対する効果を確認するために実施した。
試験の結果、PED ウイルスに 1 分間以上接触させることで、顕著なウイルス減少効果がみられることが判明した。
※本試験結果は試料として切り出した一部のものであり、荷口全体の品質を保証するものではありません。
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